NFTとは

NFT(非代替性トークン)は最近高額アイテムの落札などで話題を呼んでいるジャンルです。今まで価値の担保が難しかったデジタルアートに唯一無二の価値を担保するブロックチェーンを使った技術に裏付けられています。

NFTはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略で、「非代替性」とは、何か別のものを代わりにすることができないトークン、「ブロックチェーン上で発行された唯一無二のトークン」になります。

●NFTと仮想通貨の違い

下記にてビットコインなどの仮想通貨との区別を整理しておきます。NFTと仮想通貨は同じブロックチェーン上に存在するものではありますが、主に「代替性」という部分で異なります。


NFTとビットコイン(BTC)などの仮想通貨との一番の違いは、この世に同じNFTが存在しないことです。ビットコインやイーサリアム(ETH)は、同じものが存在します。

また仮想通貨は所有者が自由に分割して保管や送金ができます。しかしNFTは分割ができないために、2つや3つに分割して販売するとか、他のウォレットに送ることはできません。下図がその違いをまとめた図になります。

●コンテンツとしてNFTが注目されている理由

NFTは「ブロックチェーン上で発行された唯一無二のトークン」ということで、従来の通常のデジタルコンテンツの課題を解決し、商業化につなげることができる仕組みを有していることが、NFTが注目されている重要な理由です。

下図「従来型デジタルコンテンツとNFT」をご覧ください。

従来型のデジタルコンテンツは、例えば写真や音楽データなどは著作権がついているものであっても、実質的にコピーが可能です。

これでは作者、メーカーは報われず、二次流通に至っては成す術がありません。

デジタルアートについても、それらがコピーされてしまうと原本の区別は無く、よって希少性については無いに等しいとなります。ところがNFTはこれらをほぼすべて解決できる可能性があります。

もちろん、課題や問題点は存在しますが、基本的にはNFTはコピー、改ざんができないか、または改ざんされてもブロックチェーン上で検出が可能な仕組みなのです。

●二次流通からの還元金

そしてもう一つNFTの優れているところは、マーケットプレイスでNFTを販売する際に、二次流通時に作者に入ってくる還元率(ロイヤリティー)まで自分で設定できることです。大手マーケットプレイスの多くは0~10%まで設定できます。

つまり収入の仕組みとして自分の手から完全に離れることなく、二次流通以降で売れた場合でも、そのアイテムの売買取引が続く限り、その都度作者への還元金が保証されるのです。


これにより、コピーされ続けていたミュージシャンの音楽データなどは、市場に出た後、売買が継続されるうちは印税収入が入ってくることになります。

これは苦労してアート作品や音楽を作った人達の当然の権利のように思えますので、NFTという技術でアーティストの権利と収入を守ってくれる時代が来たと言えるでしょう。

以上のように、NFTは仮想通貨とは異なり、アートの権利を担保してくれたり、二次流通まで管理できる仕組みを備えたトークンなのです。

そしてこれらはブロックチェーン上で記録され、公開され、誰でも閲覧でき、決して改ざんできないものなのです。このNFTを活用した可能性は想像できないくらいに大きく、未開拓なジャンルや市場で大きく才能を開花させるアーティストや起業家も増えてゆくでしょう。